2030年ジャック・アタリの未来予測

2030年ジャック・アタリの未来予測は説明的すぎるしダサい。
原題は「Vivement après-demain」で、google翻訳によれば「明後日強く」。まあ、おそらく、「明後日を強く生きよ」みたいな感じだろうが、このほうがまだいい。もう少し気の聞いた翻訳は無いのか。

著者で「欧州最高の知性」とも呼ばれるジャック・アタリ氏は、ネガティブな未来予測を読者に真正面から突き付ける。それは著者曰く、そうした未来を直視することからしか、最悪の事態を回避する手段を見つけることができないからである。
本書で著者は、格差と利己主義の蔓延によって、世界がやり場のない「怒り」に満たされ、人類は最悪の結末を迎えると予測。それを避けるために、一人ひとりが利他主義的価値観を復活させ、世界を変革するためにやるべきことを情熱的に語りかける。

ジャック・アタリといえば、たくさんの未来予測を出し、的中させていることで有名。
もちろん、たくさんの予測をしているのだからあたったり外れたりするのはあたりまえで、重要なことは予測に伴ってものさしを形成できていることだと思う。
この本を手にとった意味は、その未来予測に興味があった部分も一部あるが、それ以上に、如何にして未来予測がなされるのか?というプロセスを取り込みたいからだった。

世界の行方は、各自が自分自身になれるかどうかにかかっているのである

という文章が導入にあるが、それ以降もこのような表現が繰り返し行われる。その経験してきた立場よるものも大きいと思うが、かんたんに未来を臨場感を持って描く方法は、自分が主役であるということを感じられる状況を作ることだろう。